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カテゴリ:trouble shooting( 13 )
9月14日 金曜日 晴れ一時雨

hurricane

台風

台風サンバは、あっという間に900hPaという「猛烈な」大きさになって、しかも昨日の予測どおり進路を少し東向きにとったので、沖縄は直撃、九州全域を暴風域に入れそうな勢いで、進んでいる。

この前の台風15号のとき、予想される最大瞬間風速が70m/sで、「近年にない記録的な風と雨が予想される」という異例の警告が発令されたが、この台風はそれが80m/sだから、これはかなりヤバイんじゃないだろうか。

しかも大陸の高気圧が強くなっているようなので、へたをすると、九州を縦断して、中国地方の西側を通過するコースをとるかもしれない。

大阪市内ではゲリラ豪雨、連休は雨模様か。


3連休前

長期入院していた車2台をやっと納車することができる。

事故の修理で入庫していた茨木市Tさんの02/MB C200と、本国からの部品を待っていた豊中市Sさんの93/240CLASSICだが、どちらもお盆前から入庫している車なので、ほぼ一ヶ月お預かりしていたことになる。

長期入院のパターンはいくつかあって、上記の2台は、事故修理と部品の入荷待ちという、はっきりとした理由のあることなのでさほどでもないが、いちばん心苦しいのは、申告された症状が確認できないというパターンのときで、もちろん言っておられることで、だいたいの経験的な類推はできるが、このカンに頼るやりかたでいちばん厄介なのは、不具合そのものを確認していないので、それが治ったことも確認できないということで、こういう修理を「メクラ修理」とわれわれが呼ぶのはそういう所以である。

われわれにとって、お返しした車が治りきらなくて戻ってくるというのがいちばん辛いことなので、できればその方法は避けて通りたいところだが、気に入って購入した自分の車に乗れないのがどれほどストレスが溜まるものかということもよくわかっているだけに、いつもそのあたりで、悩んだり困ったりしている。

過去の記事になるけれど、そんな実例をひとつ。

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2007年08月13日  '90 ボルボ240GLワゴン ― 長期入院


車のトラブルは、その現象が確認できないときちんと直すことができません。 

それが作動する、しないといったシンプルな不具合であれば、それを確認するのはごく簡単なことなんですが、異音、異臭、微振動などある一定の条件のもとでしか発生しない不具合の症状はなかなかやっかいです。
日々その車を使用されているオーナーの方が何らかの異変を感じていらっしゃるわけですから、何かがその車に起こっていることは間違いないわけですが、出たり出なかったりといった断続的な現象で入庫した時に、その現象が私たちに確認できないということはよくあります。

実際の症状や現象を確認することさえできれば、専門的に扱っている車種がほとんどですから、その原因や対応策を探っていくのは経験的にそれほど難しいことではありません。 ですからまずは、その現象が発生したときの車の状況を詳しくインタビューして、その再現に努めるというのが修理の第一歩となります。
ただ、その発生状況にあまり特定性がないことや、お預かりした時になかなかうまく出てくれないことも多く、場合によっては何も触らずにお返しするということもありますし、逆にその現象を確認するために長期のお預かりを余儀なくされるケースもあります。

そういった長期入院のケースをひとつ、ご紹介しておきます。

4年前にご購入いただいたYさんの、1990モデル240GLワゴンです。

Yさんの240ワゴンは、お預かりしてから(しかも2回目の)20日目にやっと現象がでました。 オイル漏れです。

この件で最初にお預かりしたのは5月26日、どうもATFが少し漏れているようですということでした。
Yさんの240ワゴンは、その2ヶ月前にATの不調でキックダウンワイヤーを交換し、ついでにということで同時にATF・ATFフィルタ・ATFオイルパンガスケットなども交換した車でした。 ですから、漏れているのがATFということになると、なにか私たちの作業に不手際があった可能性もありますので、急行で代車をお届けして車を工場に引き取りました。

Yさん曰く、「ガレージにポタリと雫が落ちている、赤い色をしているようのでATFのように思える」、ということでしたが、お預かりした車を見てみると、オイルパン全体にニジミのようなものはありますが、AT周辺で特に顕著な「漏れ」は見えません。
そのままの状態で2日ほど様子を見ましたが状態に変化がなく、前回のメンテナンスの不手際で発生したものだとしたらもっとも疑わしいと思われるオイルパンのボルトをとりあえず増し締めをして、いったん車をお返ししました。 現象を確認できないままの作業ですから、やや消化不良気味な感じではありましたが、周囲の状況やこれまでの経過などから考えると、今のところそれ以上に触りようがないというのがメカニックの意見でしたし、これでうまく直ればという淡い期待ももっていたのですが・・・。

次にYさんからお電話をいただいたのはその12日後、翌6月の10日でした。
「この間ほとんど乗っていなかったんだけれどやはり雫が垂れてきた、前と同じ感じです」、とのこと。 
クレームがらみのトラブルですから、2回目となれば原因をしっかりと究明して今度こそ完治させなければ、ホームドクターとして整備を任せていただいている値打ちがありません。 Yさんには、長期戦になるかもしれないけれど、まずは症状を再現することを最優先したいということをお伝えし、再びお車を引き取りました。 今回の入庫先は工場ではなくショップのガレージ 、とにかく症状が発生するまで、という気持ちです。

前回車をお返ししてから12日目での発症でしたので、2週間程度お預かりすればなんとかわかるかもしれない、というのがメカニックと私たちの希望的観測でした。 前回車を引き取りにうかがったときに、かなり前傾状態で保管されていることをメカニックが確認していましたので、できるだけ同じ状態を再現すべきと考え、Yさんのガレージと近い角度になるようにリアホイールを持ち上げ、雨のかからない屋根下で観察を始めました。

1週間後(6月17日)・・・・・・変化なし
2週間後(6月24日)・・・・・・変化なし

ガレージの床もきれいに掃除して、ちょっとの変化でも判るように備えていたのですが、とりあえずの目安であった2週間を経過してもまったくその気配がなかったので、Yさんにその旨ご報告し判断を仰ぎました。 とりあえずいったんお返しするか粘るかということです。
私たちも、症状の出ないままにお預かりするのはいささか心苦しいのですが、そうかといってこのまま何もわからずお返しするというのはたいへん不本意でしたし、Yさんも時間がかかっても今回で決着させたいというご意向でしたので、結論は「続行」でした。

車の修理でこれほど長期間、しかも動かさないままでお預かりすることはめったにありません。
ただこの240の液漏れに関しては、その前の私たちの整備が原因となっている可能性があること、前回のお預かりで解決できなかったこと、そして何よりもオーナーであるYさんの、なんとか直したいという気持ちが強かったことが、この長期入院もっとも大きな要因であることは間違いありません。 メンテナンスの仕事は、そのオーナーの意志に動かされて成り立っているようなものですから。

そして20日目(最初の電話から35日後)・・・・・・ついに発生!

朝見たときには変化がなく、今週もダメかとあきらめていたその日の午後、ごく微量ですが1滴ガレージのフロアに垂れています。 エンジンオイルなのかATFなのか、あるいはほかの液類なのか見ただけでは判断がつきませんが、とにかくオイル状の液体です。

大急ぎでメカニックに知らせ、その場でその液がATFであることを確認し、そのまま工場に入庫させました。
リフトアップされた状態でよく観察し、漏れている箇所を正確に特定することが、この修理のすべてといってもいいくらいですから、不具合が再現できたタイミングで一気に解決を図りたかったわけです。

ピットに入れて点検してみると、キックダウンワイヤーのミッション側の入り口からのものと、あっさり判明しました。

ワイヤーが通っているキャップ状のプラスティックパッキンが緩んでいて、そこからの漏れが確認されたのです。 おそらくそのパッキンのはめ込みがゆるく、車の振動などで外れかけていたというのが真相のようです。 
部位的にある程度平らな停車状態であればATFに浸るところではありませんし、車を使用していれば液がその場所に溜まるということもありませんから、液が漏れるということはあり得なかったわけで、結果的に、Yさんのガレージの形状(一定の角度での前傾姿勢)と長期乗れなかったという使用状況が重なって発生したオイル漏れということになります。 ですから、状況再現のために車を傾けた状態で観察したことが正解で、もしそうしていなければ永遠に判明しなかったところでした。

原因が特定できれば対応は簡単で、そのパッキンをしっかりと嵌めなおして修理完了です。

こういう風に判ってみればほんとうに他愛もないことだった、というのは車の修理によくあるパターンなんですが、発見できるのとできないのでは大きな違いで、原因がはっきりと判ったことで(もちろんいつも今回のように粘り勝ちできるわけではなく、長期間お預かりしてもどうしてもその兆候が現れないケースもあるんですが)、メカニックも私たちもすっきりとした気持ちになることができましたし、何よりもオーナーのYさんにちゃんとした報告をできることで、やっとプロとしての責任を果たせたという安堵感でいっぱいでした。 

気に入って購入した自分の車に乗れないのがどれほどストレスの溜まることか、ということを私たちもよく知っています。 もちろんその間できるだけご不便のないように代車はご用意させていただいていましたが、都合1ヶ月にわたる愛車の長期入院に耐えていただいたYさんには感謝です。
その車や私たちの仕事に対するオーナーのご理解がなければ、こんなアナログで原始的な修理はできることではありません。

ひょっとしたら、もう少し合理的な方法があったのかもしれませんし、その内容(たとえばその車種特有の特徴的な不具合など)によっては、だいたいの様子をうかがって「カン(もちろん充分な経験値に裏打ちされたものですが)」で進めていくという修理もなくはないのですが、結果的に余計な出費につながる可能性が捨てきれませんし、何よりも最初の現象が確認できなければ、それが解消したという確認をすることができず、修理としては不充足なカタチになってしまいますから、今のところこのスタイルで続けていくしかないんじゃないかと思っています。どういう方法であれ、お客様の不安を解消することこそが最優先事項だと考えるからです。

修理に100%というのはないものですが、それでもそのことに携わる私たちとすれば、「直ったと思いますがとりあえず乗ってみてください」といった曖昧なお返しの仕方より、できれば「これが原因でした、ちゃんと直っています」といってお返しできるほうがいいですからね。

車の修理にも、レントゲンやCTスキャンなんていうものがあればもっと楽なんですが・・・。

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こんなことを、今も時々やっています。


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by yoshimi-auto | 2012-09-14 18:26 | trouble shooting
7月27日 金曜日 快晴

真夏の出来事

酷暑到来。

車の温度計は朝9時前にすでに30度を越えていて、昨日よりもいちだんと暑い。

天気図を見ると、昨日はなかった台風の卵(熱帯性低気圧)が、父島のあたりとフィリピンの東の沖に発生していて、ゆっくりと日本をうかがっている。

しばらくはこんな天気が続くようだが、雨を降らすとしたら、この卵たちだろう。


平日には珍しく午前中からお客様のご来訪が続いて、なんとなくあわただしい金曜日。

本格的な夏に突入したことで、エアコン関連のメンテナンスが急増している。

輸入車はエアコンが弱いというのはほぼ定説のようになっていて、商談のときもエアコンは大丈夫ですかとたずねられることも多いが、われわれの実感は、そうではない。

きちんと手の入ったエアコンであれば、240のような旧い車でも(冷却方式が違うので、日本の車のような爆発力はないが)過不足なく冷房は効くし、2000年以降の車だと、実際のところエアコンの不具合というのはそれほど多くはない。

問題は、これまで手の入っていない90年代の車のエアコン。

固定された状態で使用される家庭用のエアコンでさえ、10年というのが買い換えの目安といわれているけれど、自動車用のエアコンの場合、その使用状況ははるかに過酷で、コンプレッサーをはじめとする主要パーツがエンジンの高熱のこもるボンネットの中に閉じ込められていることや機器類がスペースの節約のためにかなり小型化されていることなんかを考えると、240は言うに及ばず、最終モデルが1997年の940や850でさえすでに15年が経過しているわけだから、もしこれまでに一度も手が入っていないとすれば、いつやられてもおかしくないともいえるわけだ。

そういう意味では、エアコンに限らずそういう部品(補機と呼ばれるエンジンやミッション以外の耐久消耗的な機器類)のメンテナンスは、旧い車を乗り続けることのコストといえるもので、そのことを理解して乗っていただいているお客様も多いが、エアコンの場合、システムを構成するそれぞれのパーツが高価であるということがやはり問題だ。

家庭用でいうと室外機にあたるコンプレッサーとコンデンサー、室内機にあたるエバポレーターと、冷たい風を送り出すブロアファンというパーツがそれ。

最近はOEMで価格の低いものがけっこう出回っているので、以前と比べるとかなり安くはなったが、それでもひととおり交換するとなるとかなり手痛い出費になってしまう。

販売する立場からすると、金額的に負担の大きいこのリスクを回避するための方策を提示できるのがいちばんいいのかもしれないけれど、正直なところ経年に対抗する手立てはなく、メンテナンスの一環として考えてくださいとお願いするしかないのが現状である。

なんか毎年この時期になると同じようなことを書いているような気がするなあ。


昨日の「真夏の出来事」がまだ尾を引いている。


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by yoshimi-auto | 2012-07-27 22:23 | trouble shooting
6月21日 木曜日 雨

rain

夏至新月。

雨降りで、どちらもよくわからない。

台風5号タリムは、東シナ海で1000hPaの熱帯低気圧に変わったけれど、梅雨前線と合体して、西日本は濃い雨雲に覆われている。

前線はがっちりと高気圧に囲まれていて身動きが取れないようで、豪雨の目安である50mm/hの雨が、あちこちで降るらしいので要注意。

ただその雨も明日まで、週末は陽射しが戻りそうだ。


定休明け。

頭の痛かった再入庫の車や長期入院中の車たちが、足取りは決して軽くはないが、それでも一台一台なんとか回復しつつある。

Nさんのヘッドライトは、製品不良。

月曜の時点で代替品を手配してあったので、うまくいけば火曜日には交換してお返しできると思っていたが、なんと届いた部品に同じような不具合があり、けっきょく再々送という弱り目に祟り目という有り様だったが、なんとか今日作業を終えることができた。


アイドリングの不安定で手こずっていたNさんの240は、最後に手を入れたスロットル周辺の部品交換が功を奏したようで、やっと落ち着いた模様。

あとはしっかりと念には念を入れて試乗することか。


エンジンチェックランプが再点灯したYさんのXC70は、完全な不手際。

大きな病院(正規ディーラー)で再検査したところ、タイミングベルト交換の時に併せてやったカムシールの交換作業でミスがあり、カムシャフトの位置が少し狂っていたことが判明した。
もちろんウチのメカニックも気にしながらやっていた作業だが、すぐにはエラーがでなかったので、気がつかなかったようだ。

ただ、カムシールは2000円(X 2)ほどの部品なのでオイル漏れの予防として「ついでに」やりましょうとこちらから提案したことだから、それでミスってしまったら言い訳が立たない。

作業はすでに完了し、今日車をお返しするが、これはもうひたすらお詫びするしかない。


MさんのV70XCは、見立て違い。

検出したエラーコードの解釈で、AかBかという選択を迫られ、経験的な判断でAを交換し、警告灯が消えたので、それで良しとしてお返ししたのだが、結果的には両方が悪かった。

精密検査をしてみて初めてそのことがわかったわけだが、実際にはどちらにしても走行にはほとんど差し支えのないところで、おそらく警告灯が点かなかったら誰も気がつかなかったんじゃないか、というのは言い訳にしかすぎないわけで。

とにかく、依頼されたことをきちんとケアできなかったことには間違いないので、その経緯をしっかりとお伝えし、判断をあおがなければならない。


もう一台、やはりエンジンの警告灯でお預かりしているKさんの、これもXC70だが、これは入庫してからまったくその警告灯が点灯せず、精密検査(ディーラー)でも、たしかにエラーは入っているけれど、原因ははっきりとはわからないというご宣託。

けっきょく、エラーの記録が一回だけなので一時的な信号エラー(接触不良)ではないかという見解だが、これはいちばん気味が悪い。

幸い時間をいただいたので毎日あれこれやっていて、まったく点くような気配がないので、今のところそのままお返しするしかないかと思っているが、こういうのに限って返したとたんに再点灯なんてことがあるので、この車はまだ安心ができない。


機械のことだから必ずなにかしら原因はあって、消去法でひとつずつ可能性を消していけば必ずそこへ辿り着くというのが、われわれのひとつの確信だが、昨今(ボルボなら2000年以降)の電子制御を多用したモデルではまったく目に見えない「電気信号」が原因であることが多く、それはトライ&エラーという古典的手法ではなく、ダイアグノーシステスターという診断装置を使ってしか検証することができない。

それはもはやメカニックの仕事ではなく、オペレーターの仕事なのだ。

もちろんその診断結果によって部品交換するのはメカニックだが、本来メカニックの仕事であった故障の原因を探り、たとえばねじが緩んでいたらそれを締め直すといった、いわゆる「修理」ということはまったく不可能で、テスターが指摘した部品を、それもこの部品というピンポイントではなくこの辺り一式(アッセンブリー)を、ただ交換するだけで、それは「エンジニアではなくチェンジニアや」というメカニックの自虐的ギャグそのままの世界である。

これが果たして進歩といえるのか、よくわからない。


それにしても、XC70が重なったのは偶然なのかな。


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by yoshimi-auto | 2012-06-21 18:34 | trouble shooting
5月17日 木曜日 快晴

mellow yellow

今年も黄色い花が咲いた。

最高気温が28℃まで上がり、春というよりは初夏。
といっても、太平洋の高気圧じゃないので、空気が乾いていて、とても爽やかな晴れ間だ。


金環日食の日の予報が刻々と動いていて、今日の天気マップだと大阪は晴れ予想。
月食と違って眼鏡がないと見ることができないらしいんだけど・・。


さて定休日明けの木曜日。

この週末は差し迫った納車はないけれど、週が明けてから入ってきた車も何台かあって、メカニックだけじゃなく、ガラス屋さんや電装屋さんなどで、バックヤードはけっこう混雑した。

ガラス屋さんは、車上荒らしにあった車のガラス交換。

被害にあったのは大阪市内で飲食店をやっておられる箕面市Yさんの96/850GLTだが、お店の近くで打ち合わせで10分ほど車を離れているスキにやられてしまったとのことで、定休日だったが、昨日緊急入庫していた。

車に何も置いていなかったということで盗難の損害がなかったのは幸いだし、ちょうど同型の車が部品取りにあったので、素早く治すことができたが、なんとも理不尽な話である。

年に何回かこういうトラブルで車を預かるが、何も載せていなくてもこんな風にやられてしまうとしたら(おそらくただの欲求不満の解消かなにかだろう)、これはもう防ぎようがない。


それにしても、不思議なもので、こうやってガラスの仕事が一台入ると、それがきっかけになったように同じようなガラス事が重なる。

先日ふらっと立ち寄っていただいた98/V70 2.5Tの尼崎市Aさんから、フロントガラスに30cmくらいの亀裂が入ってしまったので見積もりして欲しいという電話が入ったと思えば、窓の上げ下げのときに異音がするということで入庫していた茨木Tさんのストーリアは結局ガラス交換ということになったり、アイドリング不調で入庫していた神戸市Aさんの98/V70 XCのフロントガラスにやはり亀裂が見つかったり。

前に書いたこともあるけれど、同じトラブルが何回か続くというのは、われわれの中では法則のようになっているし、尋ねてみるとそれはウチだけに限ったことではなく、どうも車の修理業界におけるひとつ定説となっているらしい。

たとえば、車の乗り換えを考え始めると、今乗っている車の調子が急に悪くなるとか、いちど事故の入庫があるとそれはあと2回重なるとか、車にかかわるオカルティックな定説はいくつかあるけれど、この同じ修理が重なるというのもそういう不思議のひとつかもしれない。

他の業界にもそういう定説ってあるんだろうか。


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by yoshimi-auto | 2012-05-17 22:13 | trouble shooting
2月4日 土曜日 晴れ

Riviera in winter

立春。

ほんとうの春はかなり遠そうだが、それでもさすがに昨日から最低気温が5℃以上高くなり、週明けには10℃を越える日があるという予報を見て、あらためて暦の深さを思い知らされる。

三寒四温という言葉が、だんだんと近づいてくる。


真冬の週末。

朝いちばんで、黒い02/V70 XCが入ってきた。

2週間ほど前に、トランスミッションの様子がおかしいので、いちど診てほしいという問い合わせをいただいていた豊中市MさんのXCだ。

この年代のボルボのトランスミッションは、トヨタのマークⅡなどにも使われて耐久性では定評のあったアイシン製の4速タイプから5速タイプのものに変更されていて、とくにターボモデルには「ギアトロニック」というマニュアルシフトが組み合わされたことで、制御のシステムがかなり複雑なものになっている。

もちろん、念入りな耐久テストを経て発表されたものだからそれなりの完成度をもっているが、こういった複雑な機械製品の常として、初期のタイプには時としてトラブルが発生する。

このV70の場合も、01-02の初期モデル、とくにミッションへの負担が大きいターボモデルは、「ギアトロニック」というマニュアルシフトが組み合わされていることもあって、それほどたくさん販売している車種ではないが、過去何回かこのAT本体のトラブルに見舞われている。

問題は、オートマチック・トランスミッションは、マニュアルと違って修理の効かないブラックボックスで、メカニカルな不具合ということになれば、処方箋は交換しか手がなく、中古を使うにせよ、リビルト品を使うにせよ、修理代がかなり高くついてしまうということだ。

電話でうかがったMさんのXCの症状は、2速から3速にシフトアップするときに、空吹かしのようにアイドリングが上がり前に進まなくなる、いわゆる「滑った」状態になるというもの。

これまでの経験からすると、AT本体の可能性が高いと思ったが、複雑なシステムだけに制御系の電気的なエラーの可能性もないわけではなく、いずれにしても電話で判定することはできないので、代車が空くのを待ってお越しいただいたのだった。

ご来店いただいたのがちょうどメカニックのいる時間帯だったので、オフィスでインタビューする間にメカニックが試乗をしたが、5分も経たたずに戻ってきた。

「あかんな」

やはり本体の不具合である。

Mさんから話をうかがうと、ちょうど1年ほど前に購入された車で、これまでずっとメンテナンスを任せているホームドクターがいて、そこではすでに同様の判定を受けていて見積りもでているが、一縷の望みを託して、セカンドオピニオンを求めてのご依頼とのこと。

ひょっとしたら本体ではない可能性があるかもしれないし、もし仮に本体であっても、専門店なら安く治るノウハウがあるかもしれないということでお越しいただいたわけだが、その購入店の見積はかなりリーズナブルな金額だったし(おそらくこれまでの付き合いのことが、その見積には加味されているはずだ)、AT交換という診断がでた以上、選択肢としては、修理をするか乗り換えるかということしかなく、だとしたらあえてわれわれがお預かりする理由がないように思えたので、その旨をお伝えし、Mさんはそのまま帰られた。


自動車というのは、こういう風に車種と年式、あるいはエンジンのタイプなどによって独特の弱点があって、それは最初からそうわかっているわけではなく、手痛い経験や苦い想いのなかで、蓄積されていくものである。

そして同じ車種を扱う量が増えれば増えるほど、その経験知は深くなる。

そこに専門店の強みや矜持があり、たとえばわれわれが(今は)このV70に関して、2004年以降のものしか仕入れの対象にしないのは、それだけの血を流しているからだし、これだけは絶対に扱わないモデルというのも、じつは他にもいくつかある。

だから、セカンドオピニオンにももちろん誠実にお応えはするけれど、購入される前に一度相談に来ていただきたかったというのが正直なところである。


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吉見自動車のツイッター
吉見自動車のストックリスト
by yoshimi-auto | 2012-02-04 19:24 | trouble shooting
11月24日 木曜日 晴れ

chilly thursday.

空は晴れているが、北風が吹いて寒い一日。

天気図を見ると、等圧線が南北に走り、オホーツクに994hPaの低気圧、その低気圧から双子の寒冷前線が並んでいて、完全に冬型の配置になっている。

このあたりの紅葉もこの週末がピークか。


定休日明けの木曜日。

先週、冬の準備のためのメンテナンスの記事を昔のブログから再掲したが、朝の気温が10℃を切るようになって、絵に描いたように、その記事であげた不具合で入庫する車が増えてきている。

いきなりバッテリーがあがってエンジンがかからなくなったSVX。

朝一番で、アイドリングが不安定になり、ストールする240。

サーモスタットの作動不良でオーバークール現象に陥った940。

ゴムホースの劣化(硬化)で、微弱な水漏れが始まった940や、ヒーターを入れるようになってヒーターホースからの水漏れが顕著になった850。

どれも、明らかに冬の不具合である。

ただ、正直なところ、どれもなかなか予防的に手を入れにくいところで、寒くなったからといってじゃあサーモスタットを換えようかということにならないのは、風邪の予防注射を受ける人が少なくて、たいていの場合風邪をひいて、しかもよほどひどくならないと病院にいかないのとまったく同じことで、車も人間も、それほど用意周到にケアできないのも事実。

だとすれば、たとえば受験生が予防注射をするように、スキーにいくとか帰省するとか、車を日常の使用と違ったスペシャルな使い方をするときだけでも、少しだけ時間をとって、お金のかからない範囲で、われわれのところで簡単点検というのはどうだろう。

もちろんそれですべてのトラブルが防げるわけではないけれど、旅先で立ち往生するというリスクを少しでも減らすことはできるはず。

販売した車はもちろんのこと、メンテナンスだけを承っている車でも、われわれにすれば、いわば自分たちの患者さんのようなものなので、聴診器をあてる手間を厭うことはありません。

ぜひご一報を。


吉見自動車のツイッター
吉見自動車のストックリスト
by yoshimi-auto | 2011-11-24 18:25 | trouble shooting
11月3日 木曜日 曇り

cloudy holiday.

文化の日。

明治節なんていう人はさすがにもういないだろうけれど、昭和の日(2006年まではみどりの日)と同じように元は天皇(明治)の誕生日で、さすがにハッピーなんとかにはならない。

平日の休日は年に何回もないけれど(今年は5回)、連休とはちがって、なんとなくのんびりした空気が漂っているようで、twitter や facebook も心なしかいつもより静かなようだ。

ショップも、昨日が定休日で今日が祝日なのでさすがに人の出入も少なく、車を見に来ていただいたお客様は何組かあったが、修理関係は納車が一台だけだった。


こういうときは例によって温故知新。

HPの「クレーム日記」のある記事を再掲します、テーマは「予防的メンテナンス」。

ちょうど7年前の11月に書いた記事ですが、事情はこのときとまったく変わっておらず「予防的メンテナンス」は、車の整備にとって、やはりひとつの大きなテーマだ。

いつも書いているように、一般的に「故障」といわれているものの実態のほとんどが、部品の寿命が尽きたことによって発生する不具合なので、それを防ぐためには、その寿命が尽きる直前に部品を交換するというのがもっとも効率的で効果的であることはよくわかっているけれど、今ちゃんと動いているものを未然に交換するというのは、なんとなくもったいないような気がしてしまうので、心理的にもちょっとした勇気の要ることだし、その「直前」の判断というのは、プロにとってもやはりきわめて難しいものなのだ。

だから、このメンテナンスはこちらからあまり強く推すものではないと思っているが、不安を取り除くという意味ではこれほど効果的なメンテナンスはないわけで、とくに240のような旧い車を乗っていくにあたって不安をお持ちの方や、なかなかわれわれのところに車を持ち込むことのできない遠方のお客様には、ひとつの提案としておススメすることもある。

いずれにしても、いまだに正解のみつからない難しい問題のひとつである。


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2004年11月08日  '88 ボルボ240GLワゴン ― 予防的メンテナンスということ


車のメンテナンスには、対処的なものと予防的なものがあります。

対処的なメンテナンスは、不具合が発生したとき、何かが壊れたときに、それに対して施すメンテナンス(=修理)、買っていただいたお車を保証でケアするのは、この対処的修理です。
また、予防的なメンテナンスは、この先不具合が起こる可能性がありそうなので、「転ばぬ先の杖」的に、部品の交換をすすめていく手入れ。 オイルやブレーキパッドなどの消耗品の交換もどちらかといえば、この範疇に入ります。

対処的なメンテナンスは、基本的には不具合の修正ということですから、原因を探り、それを修理する、あるいは悪くなった部品を交換する、ということで、私たちがお預かりする車の大半がこれなんですが、難しいのは予防的なメンテナンスの方です。

車に限らず、機械を構成するパーツにはそれぞれ寿命というものがあります。
日々修理でお預かりする車の場合、突発的に機械が壊れてしまう「故障」よりむしろ部品の寿命が尽きた事による不具合ということの方が多いというのが、私たちの偽らざる実感です。

この部品の寿命を判断して、適切なアドバイスをさせていただくということも、私たちの重要な仕事のひとつなんですが、これが実に難しい。

新車からの詳細な整備記録簿でもあれば、いつ何kmでこの部品を換えているから、次はこれくらいのタイミングですねとか、これはまだ一回も交換されていないですから、そろそろ交換の時期かもしれませんね、といった提案もできるのですが、中古車の場合、すべて揃っているということはめったにありません。
また、車の診察には、レントゲンもCTスキャンもありませんから、その判断の大半は、目視や問診、あるいは経験とカンに頼らざるを得ないのが実情です。

厄介なのは、その部位によって予兆があるケースと、いわば突然死のようなカタチでいきなり寿命が尽きてしまうケースがあるということです。

*

そういったことを、改めて考えさせられた実例がありましたので、ご紹介したいと思います。

このクレーム日記にも一度登場したことのある、Yさんの1988モデルのボルボ240ワゴンのケースです。

Yさんの240、今年の6月末にご購入後初めての車検を受けさせていただきました。
(この車検というシステムも、車のメンテナンスという視点から見ると、問題の多いシステムなんですが、この問題については、今は置いておきます)

今回の車検では、納車(前回車検)から1万5千kmほど走行しておられましたので、ブレーキパッドやタイヤのローテーションといった基本整備、そして240ワゴン定番メンテナンスのひとつ、リアゲートの再配線の作業を行いました。
また、足回りにもかなり消耗の気配があり、オーナーのYさんからのご依頼もありましたので、前後のショックアブソーバーとストラットマウントの交換、そして懸案であった(異音が発生していたのです)クランクプーリーの交換を、1ヵ月後の7月末に施工しました。

そのYさんから、SOSの電話が入ったのが10月19日の夜です。

「高速で立ち往生しています。 キュルキュルという音が急に大きくなって、エンジンルームから煙が出てきました。」

異音がエンジンの回転とリンクしているということでしたので、ベルト関連の異常ではないかと判断しました。
煙は、おそらくベルトが焼きついてしまったためだと思われます。
240のベルトは3本(メインのベルトはWになっているので実際には4本)で、それぞれエアコンのコンプレッサー、パワーステアリングのポンプ、そしてメインのベルトがオルタネーターとウォーターポンプ、クーリングファンを駆動させています。

ベルトの異常がエアコンやパワーステアリングのものであれば走行機能にはほとんど差し支えないといってもいいんですが、メインのベルトに不具合が発生していると、ウォーターポンプが作動せず、冷却水が循環しなくなってしまいますから、オーバーヒート → エンジンアウトという最悪のシナリオまで考えなくてはなりません。

「ここ(名神高速道路の側道)にとまっているのは怖いんで、ゆっくりとそこ(当社)まで走っていっていいでしょうか?」、ということでしたが、そういった危惧があるということを説明し、ロードサービスで、至急入庫していただくようにお話し、緊急入院ということになりました。

翌日、入庫したYさんの240を取り外して点検してみると、オルタネーター(発電機)が完全に焼きついていました。焼きついたそのオルタネーターは、今までに修理したり交換したりした形跡がありませんでしたので、経年的な消耗による部品の損傷と思われます。機械としての寿命という診断です。

結局、このオルタネーターをリビルト品(オーバーホール済みの中古品で、準新品的な品質があります)に交換し、焼き切れたベルトを新しいものと交換して、なんとか事なきを得ました。

考えたのは、このオルタネーターの交換を、あの時におススメしておくべきじゃなかったか、ということです。

実は、7月にクランクプーリーを交換させていただいた後に、プーリーを交換してもまだ少し音が残っているんですが、ということを、Yさんからお伺いしていました。 ただその時の点検では、ベルト関連の不具合は発見されず、作動音の範囲という判断で、車をそのままお返ししていたのです。 
ひょっとしてその音が兆候ではなかったか、あの時オルタネーターの限界を察知することができなかったかという想いを、どうしても捨て切れませんでした。

この修理の経過を説明していく中で、オーナーであるYさんとも、あの異音をもう少し深く探っていくべきだったかとか、不具合の兆候をどういう風に感じとるかといったようなことを話し合いました。
今回のケースは、結果的には一歩遅れという感じになってしまいましたが、本当に必要だったのは「壊れていない部品を換える勇気」だったかもしれないですね、という話になりました。

壊れていない部品を換える勇気。

言葉では簡単にいえますが、費用のこともあって、なかなか難しいことだと思います。
誰だって余計なお金は使いたくないわけですし、できることなら、修理や部品の交換をすることなく車に乗っていければそれでいいわけですから・・・。

たとえばボルボの場合、エンジンやミッション、ボディといった主要なところは、10年くらいでへこたれるものではありません。 ただ、ラジエターやオルタネーター、パワーステアリングやエアコンといった補機類は、経験的にいうと、10年10万kmというのが、寿命の大きな目安ではないかと思っています。

もちろん、それまでの乗られ方によって消耗する部位は変わってきますし、どのようにケアされていたかによってずいぶん状態に差がでてくるものですが、納車した車を10年乗っていただくと仮定した場合、これらの補機類は、いつか必ず手を入れなければならないパーツであることは間違いありません。

逆に言うと、一回交換しておけばおそらく2回目ということがないパーツということもいえるわけです。

こういった部品を、年式や走行距離、過去の整備記録やその状態を目安に、先手を打って交換してしまう。

240であれば、定番ともいえるラジエターの3層化が代表的な例でしょう。 
つまり、プロとしての経験値の中で、はっきり判っている弱点を補強したり、経年消耗が進行しているパーツを早めに交換してやる、といった手入れが、私たちの考える「予防的メンテナンス」です。

*

車のメンテナンスは、どうしても後手に回りがちなものだと思います。
壊れたら修理する、まあこれが当たり前の対応ではあるのですが、それは常に(稀なことであるにせよ)今回のような、いきなり立ち往生というリスクを孕んでもいます。 

メンテナンスをサポートする立場から、今回のようなケースでは、勇気を持って壊れていない部品を換えてみるということを提案してもいいのかもしれないと、考えさせられてしまいました。特に、それが240のように、最新でも新車から11年(当時)が経過しているモデルであればなおさらかもしれません。

もちろんそれは、私たちサポート側の慎重かつ厳正な診断と、オーナーの方の決断が必要なことですが、車は人間の身体と違って、大きなリスク(物理的な)なくパーツの移植ができるわけですから、未然にトラブルを防ぐといった目的においては、ある意味理想的なメンテナンス(保守整備)ではないかと思います。

メンテナンスの主役は、あくまでもオーナーです。
私たちはオーナーの方をサポートして、お車の点検や整備に対するアドバイスを発信することはできますが、最終的にはオーナーにその判断が委ねられます。

予防的メンテナンスというのは、技術的にもなかなか難しいことなんですが、私たちとすれば、その判断のお役に立てるよう、できるだけ敏感にその予兆を察知して、的確なアドバイスをさせていただくということに努めていくしかありません。

どちらにせよ、日々の「気づかい」こそが、そのメンテナンスの第一歩であるのは間違いないようです。

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後手に回るよりは先手必勝で、というスタイルであります。


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by yoshimi-auto | 2011-11-03 18:08 | trouble shooting
10月28日 金曜日 快晴

another beautiful day.

週末に向かって下り坂のようだが、今日も良く晴れた。

天気図も、大陸の高気圧が日本全体を覆っていて、いくぶん退屈な図形。


福井県のTさんから電話が入った。

Tさんに乗っていただいているのは、もともと西宮市Oさんがのっておられた94/940GL、もっともベーシックな940で、Oさんに2001年から8年間乗っていただいたあと、2009年にTさんのところに嫁いだ一台だ。

Oさんも輸入車のことがよくわかっている大人のユーザーだったのですごく丁寧にケアされていたし、写真の仕事をしておられるTさんがこの940を可愛がっている様子は、時々ブログなどで拝見していて、なんとなく印象深い940のひとつである。

地元福井にはホームドクターがいて、ふだんはそこでケアされているが、ときおりその940のことで相談があったり、部品をお送りしたり。

遠方の方とはだいたいそんな感じになることが多く、ゆるやかなコミュニケーションをとりながら、つながっているという関係になっているが、今回は、やや深刻な口調でのご相談だった。

症状は冷却水漏れである。

冷却水の漏れどころというのはだいたい決まっていて、940の場合経験則で言うと最も多いのがラジエター本体上部のホース取り付け部のクラック、暖まった冷却水が室内に入るヒーターホース・ヒーターバルブ、冷却水のサブタンクのキャップ・本体・ホース、あるいはウォーターポンプのパッキン・本体あたりで、どれも経年で劣化するところで、ある意味消耗部品ともいえるものだから、それほど深刻な不具合ではない。

逆に言うと、それ以外だとちょっと心配だということでもある。

Tさんによると、つい何日か前に、水温計が上がらないことやヒーターが効かないことで冷却水が入っていないことに気づいてホームドクターのところに持ち込んだところ、上記のポイントにもじわっとしたスローリークがあるが、エンジン本体にも漏れ跡があって、ちょとやっかいだと宣告されたとのことである。

そのときはメカニックがいなかったので、今日になってその話をメカニックに伝えたところ、エンジン本体ということになると、エンジンブロックの左右にある鋳造成形のための砂抜き穴と、エンジン後方のメクラブタのどちらか、あるいは両方ということで、それを治すとなると、やはりエンジンを降ろしての作業になるので、ちょっとやっかいだよ、と福井のメカニックの方とまったく同じことをつぶやいた。

問題はその劣化の進行具合である。

その場所からの漏れが深刻なものでなければ、「だましだまし」様子を見ながら乗っていくという手はあるだろうし、量が多ければ、最悪エンジン載せ換えという荒療治も考えなくてはならないし、買っていただいた価格のことを考えると乗り換えという選択肢だって、ひょっとしたら浮かんでくるのかもしれない。

電話でできるのはこのあたりが限界。


ということで、納車後初めてのことにはなるが、里帰り入庫をご決断いただいた。
あまりハッピーなカタチでの再会ではないが、できればきちんと治して帰らせてあげたい。

まずは代車の用意から。


こんな日もある。


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by yoshimi-auto | 2011-10-28 19:06 | trouble shooting
3月10日 木曜日 晴れのち曇り

snow in March.

朝、うっすらと雪化粧。
3月の雪というと、どういうわけか必ず大阪万博の開会式でお祭り広場の屋根に雪が積もっていたシーンを思い出す。

去年は、3月29日に雪が降った。
地球温暖化とやらは、どこへいったんだろうか。

気圧配置は弱い冬型だが、週末の18℃という予報を心待ちにするしかない。


アメリカのIPDというボルボパーツの会社から荷物が到着。

届いたのは、「 OD solenoid bypass kit 」というパーツ。

940や240のATミッションは、3速+オーバードライブという設定になっていて、シフトレバーに付いているスイッチをON/OFFすることで、3 ⇔ 4 の切り替えができるようになってる。
これはたとえば、ギアを一段落として加速するときにキックダウンの変わりに使ったり、エンジンブレーキが必要なときなどに、けっこう便利な機能だが、このパーツはそのスイッチを無効にして、常に4速にするための装置だ。

この処置が必要な車は、3月3日の交通整理で、
@92/240GL これもまた大掛かりな整備を承っていた摂津市Hさんの240は、工場での整備も終え、車検もパスしているが、前回の入庫のときから伺っているオーバードライブの不具合の解明に難航している。今回こそしっかり治して返したいと思っているのだが。
と記したHさんの240。

Hさんの240のオーバードライブの不具合というのは、走行中に道路のつなぎ目のようなギャップを乗り越えたときに、何も操作しないのにギアが3速に落ちるというもので、車の挙動で発生する症状と考えれば、メカニカルなものではなくて、電気的な要因ではないかと推測していたが、経験的にいちばんアヤシイと思えるODリレーはすでに交換済みで、それ以外のOD関連の電気的な装置というと、あとは3 ⇔ 4 の切り替えをコントロールするソレノイドスイッチしかないので、おそらくそれではないかというのがメカニックの考え。

ただ、前回の入庫のときも今回も、Hさんが言っているこの症状は、われわれの試乗では一回も観測できていないから、このソレノイドスイッチというのは、現時点ではただの「カン」にしか過ぎず、「カン」で交換するにはリスク(部品が高い)が大きすぎるのも事実で、そのありのままをHさんにお伝えしたら、Hさんのほうから、「その機能自体を外すことはできないんですか」という、つまりその高いスイッチを外してしまうことはできないか、というまさかのアイデアが飛び出した。

でも、必要だから付いているパーツを外してしまうなんてことできるのかなあと、半信半疑でメカニックに尋ねてみれば、

「そういえばIPDのカタログにそんなパーツあったような気がするけど・・。」

あとはトントン拍子。

7日の火曜日に入れたオーダーが、今日10日の午前中に届いた。
下手をすると、国内のパーツより早いかもしれない。

原理としてはすごく簡単なことで、部品も速達送料をいれても1万円しないパーツだから、わかってみれば、「コロンブスの卵」のようなものだが、まあそれにしても、いろんなことを考える人がいるもんだと、あらためて人間の知恵に感心させられた。

Hさんのひらめきも Good Job で、こんな風にして、オーナーの方とコミュニケーションしながら、整備を進めていけるのは、とても楽しいと思っている。

週末には、やっとお返しできる。


*


先週から予告していた「速い」ボルボ2台を、やっと「LINE UP」に掲載できた。

□ 04/V70 T-5 スポーツ ---- スカラブグリーン ---- 52556km ---- 158万円

□ 99/V40 T-4 ---- ブラック・メタリック ---- 68900km ---- 79万円


どちらも、なかなか素敵なボルボです。


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by yoshimi-auto | 2011-03-10 19:12 | trouble shooting
12月26日 日曜日 晴れ時々曇り
tha last sunday of 2010.

今朝の外気温計はさらにさらに下がって-1℃、車のガラスが凍っていた。

車のガラスが凍るのは、気温だけがその要因ではなく、放射冷却という現象がある時で、そういう日はだいたいよく晴れる。

要はシベリアの寒気団に支配されてるということなんだろう。

明日も似たような感じかな。


別に望んでいたわけではないが、やはり S.O.S.の電話があった、それも2台。


一台は、豊中市Tさんの97/940CLASSIC。

「運転席のドアが閉まらないんです」というのがTさんの第一声。

「それ、今はどうなってるんですか」と尋ねると、

「何回か開け閉めすると、なんとか閉まるから、それを繰り返してるんですけど・・・。」

ドア側のロックユニットが劣化すると、ユニットの中のフックが動かなくなることがあって、Tさんの940もおそらくそのパターンだと思われるが、放っておくと完全に動かなく(閉まらなく)なってしまうので、少しでも動いているうちに修理あるいは交換したほうがいいはずだ。

そして、新品の部品はたぶんもう間に合わないはずだから、月曜日に部品取りの940からその部品を外して、その日のうちに手当てしてしまうのがベストだと、プランを立てた。

幸い年明けに予定している代車があったので、早速お越しいただいた。

Tさんと話していて思い出したのだが、この車、去年の暮れにも、入庫していたのだった。
もちろん今回とはまったく違う不具合だったが、なんかどうもそういうめぐり合わせの車みたいですね、とTさんと苦笑しあった。


もう一台は、浪速区Fさんの88/240GL.。

朝、電話が入り、聞いてみると、通勤途中でブレーキが利かなくなってしまったとのこと。

大人のFさんらしくけっこう冷静な電話だったが、そんなことはまずめったに起こる事じゃないから、その時はかなり大変だったはずだ。

Fさんは、ある程度車のことをわかっていらっしゃる人なので、機転をきかせてポンピングを繰る返すことで、何とか難を逃れたということだったが、どちらにしてもその車に乗ってもらうわけにはいかない。

話の内容からすると、マスターシリンダーの不具合ではないかと推測はできるが、この時期のことなので、素早く車を引き取って、素早く手当てしなければならない。

日曜日だからすぐには動けないが、明日の朝一番でレッカーの段取りしなければ。

これも、上記Tさんと同様に、とりあえず部品取りからのパーツでと考えているが、車を見ていない状態のなので予断を許さない。


どちらもなんとか年内に返したいのだ。


もう来週は、2011年だ。


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by yoshimi-auto | 2010-12-26 21:50 | trouble shooting



あるボルボショップの日常、悪戦苦闘の日々。
by yoshimi-auto
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