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11月9日 月曜日 曇りのち晴れ

夕刻、ヘリコプターがちょうどショップの上空、それもライトをつけてかなり低いところを何回も旋回していたので、何か近くで大きな事故でもあったのかな、と思っていたら、英国人女性殺害の犯人の市橋某がすぐ近くに住んでいたことがわかって、大騒ぎしているらしい、ということを、荷物を引き取りに来てくれた宅急便のニイサンが教えてくれた。

近くの建設会社の寮に、先月まで暮らしていたらしいが、やっぱりあんなに顔写真が氾濫すれば見つかってしまうんだろう。犯罪者が捕まるのは悪くないが、タレこみ、それも懸賞金付というのは、どうもあまり快適な感じがしない。
別に何も悪いことをしたわけではないが、彼がタレこまれたということは、アナタだってタレこまれる可能性があるということだ。

「チクリ」に反社会性、というか反道徳性はないのか。


□ オークション物語 3

オークションは、閉鎖性に支えられている。

つまり、会員証を持ったプロの業者同士が、閉鎖的な場の中で車の売り買いをするからこそ、適切な価格が維持され、そのことによってさらにオークションが活性化するわけだが、最近ユーザーを連れ込んで入札させるという業者が、オークションの会場に跋扈しているらしい。

もちろん車を探しているお客様に現車を見ていただくために、オークションの会場に同行するということがないわけではないが(かなりレアなケースだが)、一般人を「競り」に参加させるというのは、自殺行為としか考えられない。

そんなことがあるからかも知れないが、ボルボに限らず、最近とんでもない価格で落札される車が多い。 プロ同士であれば、暗黙のコンセンサスがあって、絶対にそんな価格にはならないはずだが、その中に小売価格を基準とする異分子が入れば、場は乱れるに決まっている。そのユーザーは、卸売価格に毛の生えたような値段で自分の欲しい車を手に入れることができるし、その業者も手数料は貰えるからそれでいいのかもしれないが、その価格では仕入れにならない。

どの世界にもいると思うけれど、こういう利己的な輩が、すべてをダメにするのだ。


→ 車探しの旅 11月6日 金曜日

現地名古屋の会場にいるチェックマンから電話が入った。

チェックマンというのは、オークション会場所属の査定士で、ふだんは入ってきた車をチェックして評価点をつける人たちだが、オークション当日はその仕事はなくなるので(厳密に言うと当日出品というのがあって、その査定はしなければならない)、われわれのような遠方の競り人に、その車のところへ行って実況をしてくれる、いわばわれわれの眼になってくれる役割の人で、手数料を払ってオークションに申し込むことになっている。

オークションの出品表の情報をもとに、現場のチェックマンに質問を重ねる。

→ ぐるっと一回りして全体の印象は?

→ 車輌状態表のバンパーのところに記載されている「A(キズ)」の状況は?

→ フロントガラスの「飛び石」は?

→ 運転席(左)側のFドアに表記されているウス「U1(Uはエクボ)」の状況は?

→ 「検査員報告」に記載されているホイールキズはどの程度か?

→ 「Dシート小ジワ」という記載の状況は?

→ エアコンはちゃんと効いているか?

→ フロントガラスの丸いステッカーの名義は(ディーラー整備かどうか)?

→ エンジンルームに油汚れはないか?

→ タイヤの減りは不自然じゃないか?

さすがに走ることはできないので、ミッションなどの駆動系のことまではわからないが、このセッションで、だいたい頭の中で映像が浮かぶくらいの精度で、車の状況が把握できる。

この車にこれといって大きな瑕疵はない、あえて言うなら、左Rホイールの5cm、右Fホイールの2cmのガリキズとタイヤの残りが少ないくらいで、出品表に記載されているAとUも、ほとんど気にならないレベルだということで、表記のように「5/A」の上質車のようだ。

現車のチェックと並行して車歴の調査もしなければならない。
人に頼み、近くの陸運支局で、車のナンバーを元に「登録事項等証明書」をあげる。

初年度登録と登録年月日が一致したワンオーナー車だ。

所有者は名古屋のリース会社、使用者も名古屋市内在住の個人で一安心。
こういう時、いちばんイヤなのは雪国で登録あるいは使用された車で、もしそうだとしたら、Kさんのようなこだわり派の人には勧められない。すべてがそうだとは限らないが、融雪剤の影響で下回りにサビがまわっている車があるからだ。


これならKさんに知らせる価値はある、あとはどこまでボタンを押すかだ。


「Kさん、この車悪くないと思います、走行距離は2万km台ですけど、スタート価格の設定もまあまあだし・・、どこまでいきますか?」

結局は、この設定が勝負なのだ。

「黒にタン革っていうのもけっこういいですよねえ、ちょっと考えて電話します。」

3年落ちとはいっても、純正AMGのEクラスだから、それ相当の金額にはなる。

10分後リターンコール。

「○○○でいきましょか」

Kさんが提示されたのは、いちばん最初の設定価格より5%くらい下の金額だった。 
第一希望の色ではないわけだから、少し低めの設定でというのは適切な判断だろう。これくらいなら買ってやってもいいぞという金額である。

「まだ、無理して追いかけるタイミングじゃないから、それくらいでいい感じですよね、ひょっとしたらいけるかもしれません、上下少し幅くださいね。」

「OKです、よろしくお願いします。」

「ありがとうございます、がんばります。 終わったらお知らせしますから」


登場予定は、15:02 となっている。


さらにつづく


and so on,

吉見自動車のストックリスト
by yoshimi-auto | 2009-11-12 19:13 | diary
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あるボルボショップの日常、悪戦苦闘の日々。
by yoshimi-auto
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