2月4日 土曜日 晴れ

Riviera in winter

立春。

ほんとうの春はかなり遠そうだが、それでもさすがに昨日から最低気温が5℃以上高くなり、週明けには10℃を越える日があるという予報を見て、あらためて暦の深さを思い知らされる。

三寒四温という言葉が、だんだんと近づいてくる。


真冬の週末。

朝いちばんで、黒い02/V70 XCが入ってきた。

2週間ほど前に、トランスミッションの様子がおかしいので、いちど診てほしいという問い合わせをいただいていた豊中市MさんのXCだ。

この年代のボルボのトランスミッションは、トヨタのマークⅡなどにも使われて耐久性では定評のあったアイシン製の4速タイプから5速タイプのものに変更されていて、とくにターボモデルには「ギアトロニック」というマニュアルシフトが組み合わされたことで、制御のシステムがかなり複雑なものになっている。

もちろん、念入りな耐久テストを経て発表されたものだからそれなりの完成度をもっているが、こういった複雑な機械製品の常として、初期のタイプには時としてトラブルが発生する。

このV70の場合も、01-02の初期モデル、とくにミッションへの負担が大きいターボモデルは、「ギアトロニック」というマニュアルシフトが組み合わされていることもあって、それほどたくさん販売している車種ではないが、過去何回かこのAT本体のトラブルに見舞われている。

問題は、オートマチック・トランスミッションは、マニュアルと違って修理の効かないブラックボックスで、メカニカルな不具合ということになれば、処方箋は交換しか手がなく、中古を使うにせよ、リビルト品を使うにせよ、修理代がかなり高くついてしまうということだ。

電話でうかがったMさんのXCの症状は、2速から3速にシフトアップするときに、空吹かしのようにアイドリングが上がり前に進まなくなる、いわゆる「滑った」状態になるというもの。

これまでの経験からすると、AT本体の可能性が高いと思ったが、複雑なシステムだけに制御系の電気的なエラーの可能性もないわけではなく、いずれにしても電話で判定することはできないので、代車が空くのを待ってお越しいただいたのだった。

ご来店いただいたのがちょうどメカニックのいる時間帯だったので、オフィスでインタビューする間にメカニックが試乗をしたが、5分も経たたずに戻ってきた。

「あかんな」

やはり本体の不具合である。

Mさんから話をうかがうと、ちょうど1年ほど前に購入された車で、これまでずっとメンテナンスを任せているホームドクターがいて、そこではすでに同様の判定を受けていて見積りもでているが、一縷の望みを託して、セカンドオピニオンを求めてのご依頼とのこと。

ひょっとしたら本体ではない可能性があるかもしれないし、もし仮に本体であっても、専門店なら安く治るノウハウがあるかもしれないということでお越しいただいたわけだが、その購入店の見積はかなりリーズナブルな金額だったし(おそらくこれまでの付き合いのことが、その見積には加味されているはずだ)、AT交換という診断がでた以上、選択肢としては、修理をするか乗り換えるかということしかなく、だとしたらあえてわれわれがお預かりする理由がないように思えたので、その旨をお伝えし、Mさんはそのまま帰られた。


自動車というのは、こういう風に車種と年式、あるいはエンジンのタイプなどによって独特の弱点があって、それは最初からそうわかっているわけではなく、手痛い経験や苦い想いのなかで、蓄積されていくものである。

そして同じ車種を扱う量が増えれば増えるほど、その経験知は深くなる。

そこに専門店の強みや矜持があり、たとえばわれわれが(今は)このV70に関して、2004年以降のものしか仕入れの対象にしないのは、それだけの血を流しているからだし、これだけは絶対に扱わないモデルというのも、じつは他にもいくつかある。

だから、セカンドオピニオンにももちろん誠実にお応えはするけれど、購入される前に一度相談に来ていただきたかったというのが正直なところである。


and so on,

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by yoshimi-auto | 2012-02-04 19:24 | trouble shooting
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あるボルボショップの日常、悪戦苦闘の日々。
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