4時半で夕焼け、日暮れが早い。
朝の外気温計がついに0℃を表示し、オフィスにもストーブが登場した。 ただ、いくら寒くても天気さえ良ければ、なんとなく冬らしくて気持ちいいものだ。 黄海の高気圧が張り出して縦長の等圧線、週末はたぶんいい天気。 訊いてみたら、代車待ちの方が8組あるらしく、たぶんすべてがこの週末に集中する。 つまり、それは納車して代車を受け取り、預かって代車を出すということを、8回繰り返すということだから、綱渡りのように微妙なバランスというかプランが必要になる。 得てしてそういう時に、そのバランスを崩すようなハプニングが起こるものだが、案の定、狙いすましたようなタイミングで、予定外のトラブルとS.O.S.が発生してしまった。 予定外のトラブルは、オイル漏れで預かっているTさんの97/960。 昨日の交通整理に 「原因はタペットカバーからの微弱なオイル漏れと判明したが、パッキンのないタイプのエンジンなので、カバーを外して液体パッキンの処理になる。」 と記載したクレーム修理の一台で、昨日の段階では週末に納車するつもりの車だったが、今朝メカニックからのレポートが入り、ヘッドをバラしてみたら、2本あるカムシャフトのうちの1本を支えるブラケットのところに、微かなクラックが入っているとのことだった。 シリンダーヘッドのクラックなんて、これまで経験のないトラブルで、ちょっとした大事だ。 ごく微細なクラックで、そのまま閉じても問題ない確率は高いが、万が一それが破綻することになれば、エンジン本体のことなので、悲惨な話になるし、なによりも一回見てしまったものを、見ないふりをすることなんてできるわけがない。 もちろんクレーム修理なのでダメージは大きいが、こうやってフェアに対応してきたからこそ吉見自動車という会社が40年という月日を重ねられたのだろうし、すべての車にこんな大きなトラブルが生じるわけではないから、この車だけで考えるとマイナスは発生するかもしれないが、クレームの費用をトータルで考えると、決してマイナスになる年はないのだ。 こんなふうに単純に失くすものと得るものを考えても、やるという選択肢しかありえない。 こんな風なことをTさんにお伝えし、なんとか快諾をいただいた。 納車したばかりの車で、迷惑をおかけして申し訳ないが、保証期間中であったことを、不幸中の幸いと思っていただくしかない。 なんとかできるだけ早く仕上げて、お返ししたいと思っているが、他に手間がかかる整備の車が何台か入庫していることもあり、年内納車は微妙な情勢だ。 そしてS.O.Sは、97/940CLASSICに乗っていただいている住吉区Sさん。 走行中にエンジンがストールし、その後うまく点火してくれないという電話。 エンジンのストールには、大きくいって3つの原因しかない。 ポンプやリレーの不調、あるいは経年劣化で燃料がうまくエンジンに届かない燃料系。 燃料はきているが、うまく火花が飛ばなくて爆発しない点火系。 燃料もOK、スパークもOKだが、燃料と空気の濃度、混合気の調整がうまくいかず、きれいに爆発しない、あるいはまったく爆破しなくなる燃料調整系。 940の場合、この燃料調整を司るのはEngine Control Unit /ECUというコンピュータで、ECUはいくつものセンサーを車全体に張り巡らせて、ガソリンと空気の適切な混合比を割り出して、スロットルに指示を出す。 Sさんの電話でとっさに浮かんだのが、この燃調系のトラブルで、このモデルの定番のポイントであるクランク角センサー、そしてときおり接触不良をおこす燃料系の燃料ポンプリレーだったが、電話をしながらカルテを見直すと、昨年1月にどちらも交換してある。 Sさんにはこの940を5年前から乗っていただいていて、仕事とプライベート、フルにこの車を使われているだけに、メンテナンスも適切で、必要なところは的確にやっていただいている940でもあるのだ。 こうなると、引き取ってチェックするしかない。 とりあえず車をレッカーでご自宅まで運んでもらい、明日の朝、レッカーに代車を積んで引き取りにうかがえるように手配することができた。 当事者であるSさんとレッカーを動かすメカニック、そして予定の詰まった代車、この3つをアレンジして、できるだけ早く車を引き上げて、できるだけ早く健全なカタチで返す、という編集作業は、われわれサービスの仕事だ。 このケースでは、代車は、きわめて強引なやりくり算段である。 とにかく、そんなことをバタバタやっているとあっという間に日が暮れる。 予定していた、アレもコレも、けっきょく手つけることができなかった。 ハアー。 and so on, 吉見自動車のツイッター 吉見自動車のストックリスト
by yoshimi-auto
| 2010-12-17 18:12
| diary
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