秋晴れ、抜けるような青空。 日本列島全体が、1020-24hPaの高気圧に覆われて、天気の悪くなりようがない。 明日までは、このまま行きそうだが、週末が少しアヤシイ。 女心と秋の空。 夕焼け。 定休日の昨日、荷物を運ぶ用事があって、代車の97/940TACKに乗ってみた。 この940エステートは、宝塚市のWさんが新車から去年の10月までの12年間乗っていた車で、カルテをあらためて見直してみると、われわれがケアし始めたのは2006年からだが、そのときにもショックを含めた前後の足回りのリフレッシュをしている。 この車を引き取ったのは、Wさんがディーラー・アプルーブドのXC70に乗り換えたためだが、そのときすでに12万kmを越えていたこの車は、ディーラーに渡すと鉄くずにされてしまうので何とかならないか、とWさんからの話があって引き取ったものだ。 外装にもいくつかのキズがあり、走行距離的にも商品にするのは難しい車だったが、これまでの経緯で車の状態が良いのはわかっていたので、代車としてつかわせてもらえるなら、最高の車だと判断し、その旨Wさんにも伝えて、昨年の10月に代車の仲間入りを果たした。 Wさんにとって、大切にしてきた車がどんなカタチであれ生存しているというのは大きなことだろうし、われわれにとっても安定感のある940が代車のラインアップに加わるのは心強い。 まあそんなわけで、今年の1月には車検を受けて、代車の中ではお客様の評判もよく、エース格として活躍しているこの940だが、そうであるだけに、いつも出っぱなしで、なかなか乗れる機会がなかったのだった。 今回たまたま乗ってみて、940というモデルの完成度の高さと、この個体の状態の良さには、あらためて驚かされた。 まずFRというレイアウトの気持ち良さ、安心感。 ふだん同じスウェーデンのメーカーのFF車に乗っていて、初期のFFにはあり得なかったそのハンドリングの良さにはずいぶん感心していたが、やはりFRには叶わない。 FFの車は直線を走っているときにも、なんとなくハンドルに置いた手が微妙に緊張している感じが抜けきらないし、コーナーでは、いくら精度が上がってもやはりアンダーステアが抜けきらないが、FRのハンドリングはひたすらリラックス、直線では口笛がふけそうなくらいに安定感はあるし、コーナーでも、切ったら切っただけ曲がってくれる。 そしてもちろんこの感じは、Wさんの手入れのたまものでもある。 ボールジョイント・ラックエンド・タイロッドエンド・前後のブッシュキット・アッパーマウント・前後のショック・エンジンマウント・ミッションマウント。 2006年8月・116,500kmで施したこのメンテナンスは、よく効いている。 ライトプレッシャーターボの走りの優しさ。 ボディが沈み込むほどの重い荷物(700冊以上の本)を積んで高速を含む片道30kmほどのドライブ(帰りは空)だったが、なんなくこなしてくれた。 もちろん130PSという、今の時代では信じられないロースペックで、空のときでもシャープな加速感なんていうものとは無縁の車だが、トルクを発生させるプログラムが良くできていて、重い荷物を積んだ状態でも(多少重量の分鈍くはなりますが)、過不足のない加速がある。 そして、ステーションワゴンとしての機能性の高さ。 しっかり積めて、しっかり安全に走れる、というのがステーションワゴンの機能のコアだと思うけれど、この車、後席のシートを倒せば、隅々まで使いやすく設計された広大なカーゴルームが出現し、本当にバカみたいに載る。 その日も、たぶん2回に分けないと運べないと思えるような物量と重さのある荷物だったが、ものの見事に一発で解決。 荷物の搭載には単なる容量(気積)だけではなく、積みやすくなるようなレイアウトというかデザインが必要で、ステーションワゴンの場合それは後ろのストラットの始末を見ればよくわかるのだが、この車は完璧。 おそらく、収納量・積載量だけでいえば、最強のステーションワゴンかもしれない。 近く元のオーナーWさんの車の入庫の予定があり、代車としてお貸しすることになっている。 もちろんまだWさんにはそのことは内緒にしていて、この車を1年ぶりにご覧になったWさんがどういう反応を示されるか、いまから楽しみにしている。 オドメーターは、166,647km。 まだまだエースとして活躍してもらいたい1台なのだ。 VOLVO 940 エステート、稀代の名車だと思います。 and so on, 吉見自動車のツイッター 吉見自動車のストックリスト
by yoshimi-auto
| 2010-10-07 18:25
| old volvo
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